
発芽玄米を作りたいのに『なかなか発芽しない』とか『発芽しなかった』という話を聞きましたので、その辺の原因や解決法などをご紹介したいと思います。
玄米を発芽させる方法は、基本的には「水に浸すだけ」で、それほど難しい事ではありません。
なのに「発芽しない」という人が結構いらっしゃいます。
簡単に発芽する人がいる一方で、待てど暮らせど発芽しない人がいるというのは一体どういう事なのでしょうか?
原因として、気温や設備などの「環境」も考えられるのですが、どうやら「玄米」そのものに問題がある場合もあるようです。
それが、明らかに「古米」だとか「品質が悪いお米」という訳ではなくて、信頼できるお店で買ったブランド米でも発芽しない事があるんです。
もしかすると、最近では発芽する玄米の方が少なくなってきているかもしれないのです。
目次
発芽しない玄米と決めてしまう前に・・・
とは言え、もちろん玄米のせいではない場合もありますので、まずは発芽させる方法について確認してみて下さい。
玄米を発芽させるには、基本的には水に浸すだけでOKなのですが、環境によっては発芽しにくいことがあります。
最適な「温度」がある
発芽玄米のレシピには「夏と冬では発芽までの時間が違います」ということが書かれていたと思います。
発芽玄米作りに必要なのは「水」ですが、もう一つ「温度」も大きく関わっています。
夏場、雑菌の繁殖を避けるために冷蔵庫に入れた時や、冬の寒い日などは発芽しない事もあります。
玄米に問題が無いのに発芽しないケースは、たいてい温度が低すぎるのだと思います。
というのは、玄米が発芽するのに必要な温度というものがあるからです。
最低は10℃、最高は42℃で、それ以下でも以上でも発芽しません。
最適な温度は30~37℃で、この温度なら浸す時間も最短で済みます。
このしくみを利用して、たった4時間で発芽させる事ができる炊飯器も出ています。
夏場は冷蔵庫に入れるよりも、こまめに水を変える事で雑菌の繁殖を防ぐと良いと思います。
冬の寒い日は、浸す水にお湯をまぜて最適な温度に近づければ発芽するかもしれません。
見落としがちな「空気」の問題
そして、水の他にもう一つ、発芽に必要な条件があります。
発芽玄米の手作りレシピにも、「空気」については あまり触れられていないかもしれませんが
もしかして
玄米を水に浸すときの容器、密封しちゃっていませんか?
玄米が発芽するのには空気も必要なんです。
水に浸かってるのに?と思うかもしれませんが、水中の酸素は空気中の酸素が溶け込むことで保たれています。
金魚の入った水槽にフタをしてはいけないのと一緒ですね。
「発芽しない玄米」がある!?
温度も空気も万全!
なのに発芽しない・・・。
こうなると、『発芽しない玄米』を買ってしまった可能性が出てきます。
発芽玄米を作るのは難しい事ではありませんが、じつは全ての玄米が発芽するとは限らないんです。
『発芽しない玄米』などというものが存在するなら、最初から『発芽する玄米』と表記してくれれば良いようなものですが、発芽玄米を作りたいという人が少ないせいなのか、玄米には特に「発芽します」という表記はされていません。
ちゃんと発芽するか・しないかは、極端に言ってしまえば買ってみなければわからないということです。
この曖昧さが嫌で、市販の発芽玄米を買ったり、玄米食を諦めてしまう人もいるかもしれませんね。
ただ、「確実に発芽します!」と保証されていなくても、発芽する玄米を見つける方法はあります。
玄米が発芽しない理由
発芽する玄米を見つけるためには、まずは『どうして発芽しない玄米があるのか』を知る必要があります。
玄米が発芽しない原因は一つではありませんが、一番の理由は、玄米を乾燥させる方法が昔と変わって来てしまったせいです。
今はほとんどの農家で、お米を乾燥させるのに機械を使っています。
そのとき高温で一気に乾燥させてしまうと、お米の発芽機能が無くなってしまうそうです。
昔は『天日干し』をしていて、とても手間がかかったそうですが、今ではそういう手間をかける生産者はわずかになってしまいました。
となると、ほとんどの玄米は発芽しないってこと? と思いますよね。
ところが、必ずしも「機械乾燥=発芽しない」という訳でもありません。
同じ機械乾燥でも「低温乾燥」というのがあって、ちゃんと発芽する玄米もあるんです。
ただ、「低温乾燥しています」という表記をしていない所が多いのが困ってしまう所です。
発芽玄米用におススメの玄米
発芽玄米を作るために玄米を買うなら、やっぱり「発芽する事を保証してくれる」玄米を購入するのが手っ取り早いと思います。
とはいえ、そういう玄米はスーパーには売っていません。
発芽玄米を自分で作るという人は、少数派なのかもしれません。
おまけに、玄米食は残留農薬が気になるという問題があります。
玄米は精米しないので、どうしても胚芽の部分に農薬が残ってしまうんですよね。
残留農薬ゼロで、なおかつ天日干しをしているという玄米は、あまり出回っていないようです。
唯一「生きている玄米」だけが、そう宣言していました。
商品説明にも”玄米を発芽させて発芽玄米を作るのに適しています”と表記されています。
そして今回ご紹介した玄米の他にも、生産者が「発芽します」と公表している玄米や、「ちゃんと発芽した」というレビューの多い玄米を選ぶという方法もあります。
そもそも発芽しなくて良いかも!?
筆者も、昔はちゃんと発芽する玄米にこだわっていましたが、最近はそうでもありません。
それより、むしろ無理なく玄米食を続ける事がいちばん大切だと思っています。
いまでは発芽の確認はせず、浸水が完了して「白米と同じように炊ける」事を目安にしています。